シャンプー編

ヘアケア基礎知識-シャンプー編

シャンプーの性質や働きのヒミツを大公開します。
泡立ちや洗い上がりのしくみを知って友達に自慢しちゃいましょう!


シャンプーの性質

ひとことで「シャンプー」といっても、その機能はさまざま。
でもシャンプーと呼べるものには次のような性質があります。

  1. 適度な洗浄性があること
  2. クリーミィーで豊かな泡立ちがあって、しかも泡の持続性があること
  3. シャンプー中の摩擦による損傷から毛髪を守ること
  4. シャンプー中の毛髪に自然なツヤと適度な柔軟性を与えること
  5. 頭皮頭髪および眼に対して安全性が高いこと
この5項目が備わっていてはじめて「シャンプー」を名乗ることができるのです。

シャンプーの付加機能

シャンプーには基本的な性質のほかにさまざまな機能を併せ持っています。
一般的には次のような機能があげられます。

  1. 洗いあがり感の向上を目的として油分を配合したオイルシャンプーやクリームシャンプー
  2. シャンプー中の毛髪の損傷を防ぐコンディショニングシャンプー
  3. フケやかゆみを防ぐ効果の高いフケ用シャンプー
  4. 頭皮、頭髪に対しての刺激が比較的マイルドな低刺激シャンプー
  5. 毛髪表面の摩擦低下や静電気防止、毛髪保護などの機能までもつリンス一体型シャンプー
  6. 上記の機能をいくつか併せもったシャンプー

みなさんが手にされるシャンプーの多くは、6の多機能タイプです。
あなたは今お使いのシャンプーは何番ですか?

シャンプーの洗浄剤

シャンプーの洗い上げる機能の基となる洗浄剤にもさまざまな種類があります。
ここではシャンプーの洗浄剤であるアニオン活性剤(陰イオン界面活性剤)の種類と特徴を紹介します。

    • アミノ酸系(当社のシャンプーのほとんどがこのタイプです)
    • 極めて低刺激でアレルギー性がない
    • 天然素材として生分解性に優れている
    • 適度な洗浄力、気泡力、耐硬水性がある
    • お肌と同じ弱酸性である
    • シャンプー基材としては最も高価である
    • エーテルスルホン酸系
    • 植物性アルコールが素材である
    • 低刺激性である
    • 洗浄力、気泡力(泡立つ力)に優れている
    • 耐硬水性がある
    • 中性でさっぱり感がある
    • α-オレフィン
    • 生分解性に優れている
    • お肌と同じ弱酸性である
    • エーテルカルボン系
    • 低刺激性、低脱脂性である
    • 泡切れがよい
    • 耐硬水性で生分解性がよい
    • 低脱脂性のため気泡力、洗浄力はやや劣る
    • ベタイン系
    • 髪やお肌に対してマイルドである
    • 毛髪に対して柔軟性がある
    • 浸透性、湿潤性がよい
    • 気泡力、洗浄力はやや劣る
    • 石けん系
    • アルカリ性でさっぱり感がある
    • 洗浄力が強い
    • 耐硬水性に劣る
    • シャンプーとしては他の活性剤との併用が必要である

みなさんが手にされるシャンプーの多くは、2のタイプです。それに他の活性剤をバランスよく組み合わせて配合したシャンプーがほとんどです。

図解!シャンプーの働き

  • 湿潤・浸透
    1.湿潤・浸透
    界面活性剤(洗浄成分)が汚れの付着力をゆるめ、汚れを膨張させて毛髪の表面から引き離します。※泡の働き:毛髪同士の摩擦をやわらげたり、表面積の拡大によって毛髪との接触面をふやします。
  • 乳化
    2.乳化
    油性の汚れは、界面活性剤の働きによって毛髪から引き離され、油の小滴となって乳化されます。
  • 再付着防止
    3.再付着防止
    洗浄成分が毛髪に吸着して汚れの再付着を防ぎます。
  • 分散
    4.分散
    汚れの小滴が界面活性剤の働きによって集中を妨げられ、水中で安定化します。
  • 可溶化
    5.可溶化
    汚れが水中に溶け込んだ状態になります。
  • すすぎ
    6.すすぎ
    表面に押しやられた汚れが流されます。また、毛髪の表面に残った活性剤も多量のお湯ですすぐことによって流されます。